2016年12月23日金曜日

沖浦会の報告会が12月23日、大阪・人権博物館で開かれました。

この日、報告したのは
・村井三夫さん(元現代書館編集者)
「沖浦和光著作集を編集して思うこと」
・國井哲義さん
「オキウラ・ツアー 南スマトラの民俗と自然を訪ねる旅」
・坪倉宏夫さん
「沖浦和光先生を偲ぶ会」の一コマ
など。


その後、参加者による懇親会が芦原橋駅前の居酒屋「じゅん平」で開かれました。








2016年12月13日火曜日

沖浦和光さんの最後の著作として「宣教師ザビエルと被差別民」が刊行

沖浦和光さんの最後の著作として「宣教師ザビエルと被差別民」(筑摩選書)が刊行されました。



出版社による内容紹介

ザビエルたちは日本に何をもたらしたのか? ハンセン病患者への救援活動など差別される者たちへ寄せた思いとは?
解説 川上隆志

内容(「BOOK」データベースより)

宗教改革、大航海時代という世界史の転換期、日本はその影響をどう受けたのか?バスク生まれのザビエルは、カトリック改革派として、アジア底辺層への布教に乗り出す。その活動は日本にも及ぶ。ザビエルら宣教師たちは、ハンセン病患者を救済し、被差別民へも布教の手を差し伸べる…。やがて徳川幕府による禁制は身分差別強化のもととなる。しかし、その後も二百数十年にわたりキリシタン信仰は地下水脈のように受け継がれていった。差別問題をアジア思想史レベルでとらえ続けた沖浦和光が取組んだ最後の著作。


単行本: 219ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/12/13)

ISBN-10: 4480016473
ISBN-13: 978-4480016478
発売日: 2016/12/13

2016年12月1日木曜日

笠松明広さんが逝去されました。

笠松明広さんが逝去されました。

解放新聞編集長を長くつとめてこられた笠松さんが11月30日に逝去されました。65歳。

笠松さんは沖浦さんの教え子で、大学卒業のとき、沖浦さんの薦めもあって解放新聞に勤めることになったそうです。

沖浦会ではいろいろとお世話になりました。合掌。

(解放新聞2016年12月12日号から)




2016年11月28日月曜日

沖浦和光著作集の刊行が始まりました。

沖浦和光著作集の刊行が始まりました。

全6巻。現代書館から。
編集は村井三夫さんが担当されています。





2016年9月25日日曜日

沖浦会報告会・懇親会のご案内

沖浦会報告会・懇親会のご案内

2016年9月23日
沖浦会事務局

 初秋の候、皆様いかがお過ごしでしょうか?私たちが敬愛する沖浦和光先生が逝去されて早、1年と2か月余りも過ぎ去ってしまいました。その喪失感・寂寥感は、時間が経過してもなかなか癒されるものではないと思いますが、先生の思想・実践・人柄は私たちの心の中で生き続けているのではないでしょうか?

 先日、数名のメンバーが飲み会で集まった際、そろそろ沖浦会の催し物をやってはどうかという話になり、下記のような要領で実施することになりました。ぜひご参加いただきたくご案内申し上げます。

記 
日時:2016年12月23日(金)午後3時~
第1部 報告会 時間:午後3時~5時30分 参加費500円(当日徴収)
        場所:大阪人権博物館(リバティおおさか)研修室②
             大阪市浪速区浪速西3-6-36
             06-6561-5891(代)
             JR環状線芦原橋駅下車徒歩10分余
   <報告者とテーマ>
   村井三夫さん(元現代書館)「『沖浦和光著作集』を編集して思うことども」(仮題)
   國井哲義さん(千里金蘭大学)「オキウラ・ツアー 南スマトラの民俗と自然を訪ねる旅の報告」
   坪倉宏夫さん(元教員)ビデオ上映・解説「沖浦和光先生を偲ぶ会の一コマ」(仮題)

第2部 懇親会 時間:午後6時~8時30分 参加費4000円(飲み放題・当日徴収)
        場所:じゅん平芦原橋駅前店
             JR環状線芦原橋駅下車徒歩1分
             06-6568-2008

 なお、懇親会の場で、できれば今後の沖浦会のあり方・進め方など意見交換をさせていただきたいと思っています。 

第2部のみ準備の都合がありますので、参加ご希望の方は下記の寺木宛にメールかファックスで申し込んでください。
     メールの場合:n-teraki @sutv.zaq.ne.jp
        ファックスの場合:06-6877-5715
                                    

2016年8月1日月曜日

インドネシア(アンボン、セラム)の旅から。

インドネシアに香辛料とザビエルの足跡を訪ねて
(2016年カレンダーから。大西隆夫さん撮影)

沖浦さんを中心としたオキウラ・ツアーに参加されていた大西さんのカレンダーの写真から。
















2016年6月10日金曜日

インドネシアの旅(2016年夏)へのお誘い


南スマトラの民俗と自然を訪ねる旅 (20168月)

                 問い合わせは寺木さんへ n-teraki@suvt.zaq.ne.jp


皆さん、いかがお過ごしですか。今年もインドネシア旅行の季節が近づいてきました。夏家族の皆さんと再会できるかと思うと、私などはそれだけで胸が高鳴り、うきうきした気分になります。

昨年の訪問地は、アンボン島とセラム島でした。アンボンでは海岸で沖浦先生の散骨式を行ないました。先生はこよなくインドネシアを愛され、南太平洋の小さな島で生まれ変わりたいとつねづねおっしゃっていましたので、先生のご遺志のほんの一部ですが、我々の手で実現できたのではないかと思っています。

これもまた沖浦先生の専門分野のひとつだったのですが、アンボンでザビエルの足跡を訪ねて山の上の教会に行きました。ザビエルの像と、ガイドさんたちが即席のコーラスで歌ってくれた讃美歌がとても印象的でしたね。

さらにとなりのセラム島にも足を延ばし、ほとんど手つかずの大自然を堪能しました。水上ホテルでの宿泊、エメラルドグリーンの海で泳いだことも楽しい思い出となっています。
今年は南スマトラのパレンバンを中心に観光します。数年前には北スマトラのトバ湖とニアス島に行きましたが、今回の目的地は、沖浦ツアーの訪問地としては初めてです。どのようなところで、どのような出会いがあるか今から楽しみです。
わかった範囲で訪問先の案内をいたします。

パレンバン
今年の行き先は南スマトラのパレンバンを中心とした地域です。この地は日本人には、第2次大戦の初期に、陸軍の落下傘部隊が降下して油田と精油所などを制圧したところとして記憶されています。数年前に訪れたボルネオの油田地帯、バリクパパンにも日本軍が侵攻した跡が残っていましたが、結局のところ、日本の軍部はインドネシア(当時は蘭印と言いました)の石油資源を当てにして戦争に突き進んでいったことがわかります。

パレンバン750kmの大河、ムシ川の両岸に広がった、スマトラ島でメダンに次ぐ第2の、人口170万人を数える大都市です。河口から80kmもさかのぼったところに位置しているにもかかわらず、石油、ゴム、胡椒、パイナップルなどの積み出し港として発展しました。
パレンバンは7~12世紀ごろ、スリヴィジャヤ王国の首都でした。はるばる中国からも商人たちがやってきて、貿易の拠点として繁栄しました。現在はほとんどの住民がイスラム教徒の都市ですが、7世紀ごろには仏教が栄え、中国からも僧侶たちがやってきてサンスクリット語の経典を学び、翻訳したと言われています。しかし残念なことに当時の建物や彫刻などは戦乱で破壊されて残っていません。
この街は、ムシ川をまたぐ形で両岸に広がっています。両側を街のシンボルともなっているアンペラ橋がつないでいます。川岸には水上家屋が並び、橋の近くでは水上マーケットが食料や日用品を売っています。街の中には17世紀に建てられた高い壁のKuto Besak)があり、現在ではインドネシア陸軍の駐屯地も兼ねています。
ムシ川の中央にケマロ島があり、中国様式の壮大な仏教寺院(Hok Cing Bio1962年建立)が建っています。

パガララム
この地には、約3,000年前につくられたとされる巨大な石碑が点在しています。これをつくった文明については、残念ながらほとんど解明されていません。

ベンクル
 ベンクルはスマトラの南西海岸に位置し、インド洋に525kmの海岸線をもつ州です。州の中心はベンクル市です。最初にこの地を訪れた西洋人はポルトガル人で、そのあとオランダ人がやって来ました(1596)。またイギリス人もこの地にやって来て、イギリス東インド会社が胡椒貿易センターをつくり、1714年には壮大なマルボロー砦を築きました。ここはマラッカと交換でオランダに割譲されるまで、140年もの間イギリスの支配下にあったのです。

マルボロー砦は壁がレンガでつくられており、2000年の大地震、2007年のマグニチュード7.3の大地震と津波にもビクともしませんでした。

ベンクル州は金、石炭、地熱などの天然資源に恵まれていますが、スマトラの他の州に比べてあまり開発は進んでいません。そのためこの地を訪れる旅行者は多くありません。州の大部分は熱帯雨林が占めており、野生の虎や象が生息しています。ある意味で沖浦ツアーらしい訪問地と言えます。

スカルノの家
インドネシアは、1949年オランダから独立しました。初代大統領に選出されたのは、独立運動を担い、独立宣言を行なったスカルノでした。彼は1930年代初頭、オランダ当局に逮捕されて流刑になり、短期間ですがベンクルに滞在していたことがあります。この地で彼は後に第1夫人(皆さんは第3夫人がだれかはご存知ですね)となる女性、ファトマワティさんに出会いました。2人の間に5人の子どもが生まれましたが、長女がメガワティさんで、後にインドネシア最初の女性大統領(在職01.604.10)となられた方です。

今年も例年通り國井バーは健在です。この旅の楽しみは、第1に豊かな自然、第2に人なつこくて人情味あふれる現地の人たち、そして第3に(人によってはこれが第1かもしれません)夜お酒を飲みながらわいわいがやがややることですね。1年間の溜まりにたまった話を十分に吐き出していただけたらと思っています。
いつも旅の最後のころには飲み物やおつまみ足りなくなりますので、皆さんのスーツケースに焼酎やいかの燻製などを入れてきていただけたら幸いです。
それでは夏家族の皆さん、インドネシアで会いましょう。

                             文責 國井哲義

2016年3月23日水曜日

沖浦和光さんを偲ぶ会(21日、東京・学士会館)が毎日新聞デジタルで報道されました。

沖浦和光さんを偲ぶ会(21日、東京・学士会館)が毎日新聞デジタルで報道されました。

http://mainichi.jp/articles/20160323/k00/00m/040/119000c
 

民俗学者 沖浦さん たこつぼと対極の語り部

故人との思い出をゆかりの3人が語った「沖浦和光さんをしのぶ会」=東京都千代田区の学士会館で2016年3月21日、中村美奈子撮影
約30年前、沖浦和光さんから贈られた役者のぼりを披露する俳優の中西和久さん(右)。沖浦さんは芝居の初日に楽屋を訪れ、「よかったよ」と励ましてくれたことがあったという=東京都千代田区の学士会館で2016年3月21日、中村美奈子撮影
 昨年7月に88歳で亡くなった民俗学者で、元桃山学院大学長の沖浦和光(おきうら・かずてる)さんをしのぶ会が21日、東京都千代田区の学士会館で開かれた。生前ゆかりのあった大学教授らによる鼎談(ていだん)が行われ、被差別民や漂泊民とその芸能をテーマに国内外を歩いた故人の旺盛な研究活動を振り返った。
     鼎談には、民俗学者で学習院大教授の赤坂憲雄さん、映画監督の前田憲二さん、元岩波書店編集者で専修大教授の川上隆志さんが登壇した。
     赤坂さんは、自身が編集していた雑誌「別冊東北学」の対談で沖浦さんと初めて会ったと話し、「文句なしに一番面白い対談だった。何とも言えないいかがわしさがあって、こちらが問いを投げかけると、しばしばスルーして全く違う話をする。だが(それらに)関連はあって、30分前の質問に対する答えがいきなり豪速球で返ってくる。語り部としてたぐいまれな存在でした」と惜しんだ。
     前田さんは三十数年前、沖浦さんが桃山学院大学長時代に、同大付属高校の記録映画を作った。「学長として多忙だったはずだが、沖浦さんは学生たちとしばしば議論し、大学は沖浦イズムとでもいうのか、活気にあふれ、とても魅力があった。学問を学問として見ず、自分の体験と知性を使って、上からではなく、絶えず地平からものを見ていた。傑出した文化人でした」
     川上さんは、ともにフィールドワークを重ねて、沖浦さんの著書「竹の民俗誌−−日本文化の深層を探る」(岩波新書)を編集した。「アカデミズムのたこつぼの対極にいたのが沖浦さん。講演では話の本題に入らないで、前振りで終わるのが特徴だった。既成の秩序ではなく、もっと幅広いところから発想していた」と語った。
     会の終わりには、フィールドワークなどの旅の最後に沖浦さんがいつも参加者と歌っていた「今日の日はさようなら」を、妻恵子(やすこ)さんらが合唱。出席者約120人が聴き入った。【中村美奈子/デジタル報道センター】

    2016年2月6日土曜日

    2016年2月4日木曜日

    沖浦和光さんを偲ぶ東京の会のご案内

    沖浦和光さんを偲ぶ東京の会のご案内

    昨年11月に開かれた大阪での偲ぶ会に続いて、東京でも開かれます。

    ぜひお集りください。

    3月21日(月・祝日)
    午後3時から6時

    第一部、鼎談・沖浦和光の世界を思想を語る

     赤坂憲雄、前田憲二、川上隆志の各氏

    第二部、懇親会

    場所、学士会館
        (東京都千代田区神田錦町3-28、電話 03-3292-5936)

    会費: 7000円(記念冊子、DVD謹呈)

    呼びかけ人
    赤坂憲雄、安東年子、尾本恵市、鎌田慧、川上隆志、千本健一郎、なべおさみ、前田憲二、村井三夫、山田勝、

    問い合わせは 岩波書店内 大山美佐子
    E-mail: oyama@iwanami.co.jp
    FAX: 03-5210-2274



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